1. はじめに:いつ訪れるか分からない災害への備え
昨今、日本列島では線状降水帯による過去に例のない集中豪雨や内水氾濫、台風による建物損害、冬期の豪雪災害、そして各地での大規模地震など、いつ・どこで未曾有の大災害に見舞われるか予測できない状況が続いています。
多くの経営者様とお話しする中で、「防災や事業継続の大切さは分かっているけれど、何から手をつければいいのか分からない」「日々の業務に追われて、どうしても後回しになってしまう」というお声をよく耳にします。しかし、災害対策は「いつかやる」では間に合いません。
2. データが語る「うちの会社は大丈夫」の危険性
「うちは災害が少ない地域だから」と思っていませんか? 実は、ある10年間(平成23年〜令和2年)の調査において、全国の約97%の市区町村で1回以上の水害・土砂災害が発生しています。もはや日本において「完全に安全な場所」は存在しません。さらに近年は、自然災害だけでなくランサムウェア等の「サイバー攻撃」が中小企業を直撃するケースも急増しています。
出典:国土交通省「水害統計」(平成23年〜令和2年)
最も恐ろしいのは、事業の停止です。 事前対策を「未実施」の企業は事業復旧までに平均41日かかるのに対し、「実施済み」の企業は平均13日と、復旧スピードに約3倍の差が出ます。万が一、事業停止が数ヶ月長引けば、取引先からの信用を失い、顧客が離れてしまう致命的なリスクに直結します。
出典:中小企業強靭化研究所中間とりまとめ(平成31年1月)
3. ジギョウケイの「一丁目一番地」。それは『人命第一宣言』です
防災対策において、最も重要な目的とは何でしょうか? 私ども保険ステーションは、「自社で働く人たちの命を第一に考えること」だと確信しています。
事業の継続も、会社の存続も、すべては「働くヒト」があってこそ成り立ちます。自社で働く社員とその家族の命を何よりも優先して守り抜くという覚悟。これこそが、中小企業が最初に取り組むべき「事業継続力強化計画(通称:ジギョウケイ)」の本丸(一丁目一番地)です。
4. 防災のステップ:「ジギョウケイ」から「BCP」、そして「BCM」へ
「防災が必要なのは分かったが、難しそうで手が回らない…」と悩む経営者様へ。 企業の防災・事業継続の取り組みには、明確な「難易度のステップ」があります。
① ジギョウケイ(事業継続力強化計画)
【すべてのベース/初級】 「人命の保護」と「防災・減災」に焦点を当てた基礎固めです。すべての防災対策の土台(ベース)となる構成であり、中小企業が最も取り組みやすい内容になっています。
② BCP(事業継続計画)
【中級】 ジギョウケイを土台とし、さらに「RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)」を詳細に設定します。災害時に「いつまでに・どの重要業務を・どのレベルまで復旧させるか」という厳密な計画が求められ、作成に大きな労力がかかります。
③ BCM(事業継続マネジメント)
【上級】 策定したBCPが実際に機能するよう、継続的に教育・訓練・見直しを行い、企業文化として定着させる「運用管理」の段階です。
5. 一般的な補助金とは「性質が真逆」なジギョウケイの正体
一般的な補助金とジギョウケイは、性質が「完全に真逆」です。
一般的な補助金
申請時に事業計画書を作り込み、採択されれば一定期間内に給付金(お金)が得られます。
ジギョウケイ
申請が認められても、1円の給付金も下りません。交付されるのは「認定通知書」のみです。
「お金が下りないなら、作る意味がないのでは?」と思われるかもしれません。 しかし、この制度の真の価値は、国が認定する大規模災害(例:能登半島地震や熊本豪雨での『なりわい再建支援補助金』等)が発生した瞬間に発揮されます。
事前にジギョウケイを作り、緊急時の体制を確立しておくことで、被災直後にパニックにならず、「罹災証明の取得」や「復旧補助金の申請」に向けた初動スピードが格段に上がるのです。
6. 認定を受ける「4つの大きなメリット」
この計画を作成し、国の審査を通過して認定を受けると、平時・有事を問わず経営・財務に直結する大きなメリットが得られます。
補助金審査での
「加点」と採択率アップ
「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」「省力化投資補助金」などの申請時に加点対象となり、他社と差をつけることができます。
「税制優遇」と「低利融資」
自家用発電機や止水板などの設備投資を行う際、特別償却などの税制優遇や、日本政策金融公庫からの低利融資が受けられる場合があります。
損害保険料の割引
保険会社や対象商品によっては、認定取得に伴い保険料の割引適用を受けられるケースがあり、コスト削減に直結します。
社会的信用の向上
計画期間中(最長3年間)有効な「認定マーク」を自社のHPや名刺に掲載することで、取引先や顧客、従業員からの信頼獲得に繋がります。
7. 最も大切なのは「作って終わり」にしないこと
ここで、私どもが強くお伝えしたい課題があります。 それは、過去に認定を取得した企業の中にも、3年ごとの更新や見直しを行わずに、そこで防災・減災の歩みをストップさせてしまっているケースが少なくないという現実です。
いつ来るか分からない災害への備えは、一度作って終わりではありません。世の中の情勢や会社の事業環境の変化に合わせて、常に計画をブラッシュアップし続けること。そして「いざという時に従業員が自ら考えて動ける実効性」を持たせることが何より重要です。
8. なぜ、地域の保険代理店がこの取り組みを重要視するのか?
私ども保険ステーション(本社・小樽)が、この防災・減災活動に力を入れているのには明確な理由があります。
①「災害 = 保険」という高い親和性
日頃からリスクと向き合う保険代理店にとって、金銭的な補償(保険)だけでなく、事業そのものを守るための防災・減災は表裏一体の重要なテーマです。
② 保険の「更新」と計画の「見直し」が連動する
大規模災害時の復旧補助金などは、手元に入金されるまでに数ヶ月〜1年以上かかります。その間の工事費立替資金を確保する「損害保険」と、初動を早める「ジギョウケイ」は車の両輪です。 実際に、令和6年能登半島地震の『なりわい再建支援補助金』では、補助を受ける施設・設備について自然災害(風水害を含む)を補償する損害保険・共済への加入(中小企業者は付保割合30%以上)が受給の条件とされ、あわせて事業継続力強化計画等の策定(策定予定を含む)も確認されました。 損害保険の定期的な更新タイミングに合わせてジギョウケイ(3年更新)も見直すことで、計画が作られっぱなしで放置・形骸化するのを防ぐことができます。
だからこそ私たちは、「あくまでクライアントご自身が主役となり、自社の力で新規取得・更新手続きを行う」ための「伴走型支援」に力を入れています。
ジギョウケイ初回認定 2025.04.25
ジギョウケイ初回認定 2025.05.22
ジギョウケイ初回認定 2025.06.12
ジギョウケイ初回認定 2025.08.07
※なお、法令遵守の観点より、計画の申請書類の作成代行等につきましては行政書士の専門領域となりますため、弊社ではあくまで「計画策定に向けた伴走・アドバイス」の立場からしっかりとサポートさせていただきます。
9. ジギョウケイ申請に必要な「準備」と「サポート内容」
ジギョウケイの申請は現在「原則電子申請(手数料無料)」となっており、事前に「GビズID(gBizIDプライム)アカウント」の取得(発行に約2週間)が必要です。
「何から始めていいか分からない」「会社として継続的に防災力を高めたい」という企業様に対し、私ども保険ステーション(本社・小樽)が以下の伴走サポートを行います。
現状のヒアリングとリスクの整理
自社の事業において想定される自然災害やサイバーリスクを一緒に整理します。
ジギョウケイの策定・更新の伴走サポート
GビズIDの取得手順から下書きフォーマットの作成、3年ごとの定期的な見直しまで分かりやすくガイドします。
「保険×防災」のトータルアドバイス
日々の損害保険の更新と連動させながら、常に陳腐化しない生きた防災計画づくりをサポートします。
10. おわりに:まずは「人命第一宣言」から始めましょう
「事業継続力強化計画」の認定を受けることは、災害に強い会社づくりという安心感を得られるだけでなく、3年ごとの見直しを通じて社員の皆様の安全を守り続ける確かな第一歩となります。
「うちの会社でも作れるかな?」「GビズIDってどう取るの?」といった、最初の疑問からで全く構いません。 まだ何も手をつけていない企業様こそ、まずは自社の「人命第一宣言」から、私ども保険ステーション(本社・小樽)と一緒に始めてみませんか?
地域の企業の皆様が未来へ向けて安心して歩めるよう、私たちが全力でサポートいたします。